ECサイト運営「何から?」を解決!リソース不足でも“売上”を…
「ECサイトを立ち上げたものの、運営方法が分からない」「売上が伸び悩んでいる」「限られたリソースで、すべてに手が回らない」と悩んでいませんか?令和5年度電子商取引に関する市場調査によると、国内EC市場は拡大しており、物販・サービス・デジタルの各分野で増加傾向にあります。
【BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)】
【BtoC-ECの市場規模及び各分野の増減率】
出典:経済産業省 令和5年度電子商取引に関する市場調査
この市場拡大は、競争の激化も意味します。
単にECサイトを持っているだけでは、お客様に見つけてもらい、選ばれ続けることは難しくなっており、これまで以上に高い運営レベルが求められる時代になりました。
特に、中小企業やリソースに限りがあるチームでは、人材不足や専門知識の不足、時間的な制約などが重なり、これらの壁はより高く感じられるでしょう。
この激しい競争を勝ち抜くためにも、ECサイト運営の基本を押さえ、優先するべきところを明確にした上で、お客様が満足してお買い物ができるECサイトを構築する必要があります。
この記事では、ECサイト運営の各フェーズの重要性と成功のための基本原則を徹底解説します。
その上で、キノスラがこれまで支援してきたECサイトの成功事例から得られたノウハウも交え、明日から実践できる運営方法をご紹介します。
ECサイト運営の全体像と成功の鍵
ECサイトの運営は、単に商品を並べて売るだけではありません。
お客様に商品を見つけてもらい、安心して購入してもらい、そして「またこのお店で買いたい」と感じるような一連の体験ができるように環境を整えることが大切です。
そのためには、ECサイト運営における以下の5つの主要なフェーズを理解し、貴社のビジネスに合わせて適切に対応していく必要があります。
ECサイト運営 フェーズ1「企画・構築」成功の土台を築く
◆新規のECサイトを立ち上げる場合
コンセプト、ターゲット顧客、取り扱う商品、そしてそれらをどのように表現するかを具体的に定めます。
市場調査を行い、競合との差別化ポイントを明確にした上で、ビジネスとしての戦略を練り上げましょう。
◆既存のECサイトの場合
コンセプト、ターゲット顧客、取り扱う商品にズレがないか、定期的に見直しが必要です。
また、お客様が使いやすいサイトデザインや、スムーズに購入できるシステムを構築することも、このフェーズの鍵となります。
ここで描いたビジョンがその後の運営すべての指針となるため、最も時間をかけて考えるべき部分です。
ECサイト運営 フェーズ2「集客」お客様をサイトへ呼び込む
どんなに良い商品があっても、お客様に見つけてもらえなければ売上には繋がりません。
このフェーズでは、SEO(検索エンジン最適化)対策、SNSマーケティング、Web広告運用などを通じて、ターゲット顧客をECサイトへ誘導するための施策を実行します。
お客様が「欲しい」と思った時に、貴社のサイトが真っ先に選択肢となるよう、多角的なアプローチで集客力を高めることが成功への近道です。
ECサイト運営 フェーズ3「販売促進」購入を後押しし、顧客単価を向上させる
サイトに訪れたお客様が商品を購入してくれるように、商品の画像や説明文の最適化はもちろん、キャンペーン、クーポン、セット販売などを企画・実行し、お客様の購買意欲を高めましょう。
さらに、メルマガやLINE公式アカウントなどを用いたCRM(※)戦略や、リピーター育成のための施策(クーポン、ポイントプログラムなど)も重要です。
また、アップセルやクロスセル(※)の提案は、顧客単価の向上とコンバージョン率(購入率)の改善に直結します。
※CRM(顧客関係管理): 顧客情報を管理・活用し、より良い関係を築く仕組み
※アップセル: お客様が検討している商品よりも、少し良い(高価な)商品を選んでもらうための提案
※クロスセル: お客様が購入しようとしている商品に関連する別の商品も一緒に買ってもらうための提案
これらの提案により、1人あたりのお客様からの売上(顧客単価)を増やすことに繋がります。
お客様が迷わず、より満足度の高い買い物ができるようにサポートすることで、売上の最大化を目指します。
ECサイト運営 フェーズ4「顧客対応」信頼関係を構築し、リピーターを育てる
商品が売れて終わりではなく、購入前から購入後まで、お客様が安心して利用できるよう丁寧な顧客対応を行いましょう。
購入後のアフターフォロー、返品・交換対応、クレーム処理まで多岐にわたります。
これは単なるサポート業務ではなく、お客様と長期的な関係性を築くための重要な戦略です。
ECサイト運営 フェーズ5「分析・改善」データに基づき、常に進化させる
ECサイト運営に「これで終わり」はありません。
アクセス解析ツール(Googleアナリティクスなど)を活用して、サイトへの訪問数、売上、コンバージョン率、お客様の行動パターンなどを定期的に分析することが不可欠です。
例えば、お客様が商品をカートに入れたものの、購入を完了せずにサイトを離れてしまう「カゴ落ち」は、ECサイト運営者にとって大きな機会損失です。
これを防ぐために、「カートに入れたままのお客様にリマインドメールを送る」「購入手続きのステップを簡略化する」「送料や手数料を明確に表示する」といった対策が挙げられます。
このように、データから課題を発見し、改善策を立案・実行することで、サイトのパフォーマンスを継続的に向上させることができます。
PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を回し続けることで、お客様のニーズに合ったECサイトへと成長させ、売上を最大化していくことが可能になります。
ECサイト成功のために押さえるべき3つの基本原則
ECサイト運営の各フェーズが「何をするべきか」という時間軸や業務の流れを示すのに対し、ここでは「成功するために不可欠な核となる要素」として、以下の3つの原則を深掘りします。
これらは独立しているように見えますが、実は密接に連携しており、最終的な売上と顧客満足度を大きく左右します。
ECサイト運営 基本原則1「商品力」お客様を惹きつける魅力の源泉
ECサイトの根幹とも言えるのが、販売する商品の魅力そのものです。
単に「何を売るか」だけでなく、「なぜその商品がお客様にとって価値があるのか」「競合とどう違うのか」を明確に打ち出すことが重要です。
商品の品質、デザイン、機能性はもちろん、商品のストーリーや生産者のこだわりなども含め、お客様が「欲しい」と感じるような魅力を最大限に引き出すことが「商品力」です。
いくら集客しても、商品そのものに魅力がなければ購入には繋がりません。
優れた商品力は、集客力にも良い影響を与えます。
口コミが生まれやすくなったり、SNSで共有されたりすることで、自然な形でブランドの認知度が向上します。
また、一度購入したお客様が「またこのお店で買いたい」と感じることで、顧客対応力と相まってリピート購入に繋がり、LTV(顧客生涯価値)の向上に貢献します。
ECサイト運営 基本原則2「集客力」お客様をサイトへ呼び込む力
どんなに素晴らしい商品があっても、お客様に知られなければ意味がありません。
「集客力」とは、SEO(検索エンジン最適化)による検索流入の獲得、SNSを活用した情報発信、Web広告の運用、インフルエンサーマーケティングなど、多様なチャネルを通じて潜在顧客をECサイトに誘導する能力を指します。
ターゲット顧客がどこにいて、どのような情報を求めているかを理解し、最も効果的な方法でアプローチすることが求められます。
高い集客力は、純粋なアクセス数の増加だけでなく、ターゲット層に合った質の高い訪問者を増やすことで、その後のコンバージョン率(購入率)にも良い影響を与えます。
優れた商品力と組み合わされば、訪問者が「これだ!」と感じて即座に購入に至る可能性が高まります。
また、集客したお客様に対して、適切な顧客対応力を発揮することで、新規顧客がリピーターへと育つ土壌を作ります。
ECサイト運営 基本原則3「顧客対応力」信頼を築き、顧客をファンに変える力
ECサイトにおける顧客対応は、お客様が安心して商品を選び、購入し、そしてその後も満足して使い続けてもらうための重要な要素です。
単なる事務的なやり取りではなく、お客様との信頼関係を築き、最終的にはブランドのファンになってもらうための大切な機会と捉えましょう。
たとえば、問い合わせに対して、「お問い合わせありがとうございます。いただいたご質問につきましては、〇時間以内に担当者よりご返信いたします」といった素早い一次返信一つで、お客様は安心して次の連絡を待つことができます。
また、商品発送後に「ご購入いただいた〇〇はいかがでしたでしょうか?何かお困りの点がございましたら、お気軽にご連絡ください」といったアフターフォローのメッセージを送ることで、お客様は「気にかけてもらえている」と感じ、安心感と満足度が高まります。
こうしたきめ細やかな対応は、単に問題を解決するだけでなく、お客様に「このお店は信頼できる」「次もここで買いたい」と感じてもらうことに直結します。
満足したお客様は、良い商品力の口コミを広げ、新たな集客力に貢献します。
また、購入を検討しているお客様が抱える不安を解消することで、集客力によって呼び込まれた訪問者の購入への障壁を取り除き、売上へと繋げます。
良好な顧客対応は、ブランドへの愛着を育み、顧客を単なる購入者から熱心な「ファン」へと変える力を持っています。
リソース不足でもECサイト運営を成功させる秘訣
これまでに説明したことだけでも、ECサイト運営には膨大な業務があります。
他の業務と兼任しなければいけなかったり、ECサイトに専任だとしても一人店長で何でもこなさなければいけない状況はよく聞きます。
リソースが限られている中でもECサイト運営を成功させるには、戦略的なアプローチが不可欠です。
1. 業務の優先順位付けと効率化
ECサイト運営では、日々多岐にわたる業務が発生します。
限られた時間とリソースの中で成果を出すためには、本当に重要な業務と、効率化できる業務を明確に見極めることが不可欠です。
特に、現状で多くのリソースが割かれている業務には、自動化ツールやサービスの活用を積極的に検討しましょう。
これにより、これまで時間と手間がかかっていた作業を削減し、貴社のECサイト運営者が本来集中すべき戦略的な業務に注力できるようになります。
例えば、あるECサイトでは、商品やサービスに関する問い合わせ対応に多くの時間が費やされていました。
チャットボットなどのツール導入も検討しましたが、まずは「よくある質問(FAQ)」ページの内容を充実させ、ECサイト内の適切な場所にその導線を設けることから始めました。
その結果、お客様自身で疑問を解決できる機会が増え、問い合わせ件数を大幅に減らすことに成功しました。
これにより、ECサイト運営者の問い合わせ対応の時間が削減されただけでなく、お客様の疑問がすぐに解消されることで、購入率(CVR)の向上にもつながっています。
このように、一見地味に見える業務の改善が、最終的には大きな効率化と売上アップに貢献します。
ECサイトの課題を「見える化」するためにも、定期的に現状の業務を見直し、どこに改善の余地があるかをあぶり出すことが重要です。
2. 外部リソースの活用
専門的なスキルが必要な部分や、社内で対応しきれない業務は、外部の専門家を積極的に活用しましょう。
コンサルティング会社、制作会社、広告運用代行など、その道のプロに任せることで、品質を担保しつつ効率的にプロジェクトを進めることができます。
私たちキノスラは、貴社が抱えるリソースの課題をヒアリングし、本当に必要な部分に集中できるよう、戦略的な外部リソース活用の具体策をアドバイスしています。
時には、キノスラのチームが貴社のマーケティング部として機能し、二人三脚でECサイトを成長させていくことも可能です。
まとめ:ECサイト運営成功への第一歩を踏み出すために
ECサイト運営は一朝一夕で成功するものではありませんが、今回ご紹介した「ECサイト運営の全体像」「各フェーズの重要性」「成功のための3つの基本原則」を理解し、貴社の状況に合わせて実践していくことで、必ず道は開けます。
特にリソースが限られている場合でも、業務の優先順位付けと外部リソースの活用を賢く組み合わせることで、大きな成果を出すことができます。
もし、この記事を読んでさらに具体的なアドバイスが欲しい、自社のECサイトに合わせた最適な運営戦略を構築したいとお考えでしたら、ぜひ一度キノスラにご相談ください。
経験豊富なコンサルタントが、貴社のECサイト運営を成功へと導くお手伝いをさせていただきます。
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