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【法人向け】ECサイト構築、何から始める?「最初に決めるべき…

法人向けECサイト構築、プロジェクトの進め方に不安はありませんか? 法人向けのECサイト立ち上げを検討する際、「何から始めるべきか」という問いは、多くの担当者が抱える共通の悩みです。 しかし、ご安心ください。 成功への道筋は、明確なステップに基づいた「事前の準備」にあります。 いきなりツールや制作会社を探し始めるのではなく、その前にビジネスの土台となる「3つのこと」を定義することが、成果の出るECサイトを実現する上で最も重要です。 この記事では、法人向けECサイト構築で失敗しないために「最初に決めるべき3つのこと」と、その後の具体的な全手順を徹底解説します。 貴社のプロジェクトを成功に導く、確かなロードマップとしてご活用ください。 【最重要】法人向けECサイト構築で「最初に決めるべき3つのこと」 法人向けECサイトの構築を成功させるためには、システム開発といった技術的な話の前に、ビジネスの根幹を定める「上流工程」が極めて重要になります。 ここでは、その最大の核となる3つの要素について解説します。 ① 目的 :なぜ、あなたの会社はECサイトを始めるのか? まず最初に、「なぜECサイトを構築するのか」 という目的を徹底的に深掘りしましょう。 「業務を効率化したい」「新しい販路を拡大したい」といった漠然とした目的で満足してはいけません。 「どの部署の、誰の、どんな業務負担を、どのように軽減するためか」 「これまでアプローチできなかった、どの地域の、どんな企業にアプローチするためか」 このように、具体的なレベルまで掘り下げることが重要です。 🚩例えば「電話やFAX受注を効率化したい」という曖昧な目的のままでは、現場の課題を本当に解決できるサイトにはなりません。 ECサイトの管理画面が複雑で、結局、FAXを見ながら手入力した方が早い、ということになれば本末転倒です。 機能は揃っていても受注担当者にとっては「かえって手間が増える」ものになり、社内では誰も使わない…という失敗に繋がるケースは少なくありません。 ② 提供価値 :誰に、何を提供して喜んでもらうのか? 次に、 「誰に、どのような価値を提供して喜んでもらうのか」 を明確にします。 ターゲットとなる顧客は、長年の取引がある既存顧客でしょうか。 それとも、まだあなたの会社を知らない新規の顧客でしょうか。 ターゲットが既存顧客であれば、過去の取引履歴に基づいた再発注のしやすさや、特別な価格設定といった利便性が価値になります。 一方、新規顧客がターゲットであれば、分かりやすい製品情報や導入事例、信頼できる実績を提示できること自体が重要な価値となるでしょう。 商品そのものだけでなく、どんな情報や体験があれば顧客が「このサイトは便利だ」「ここで買いたい」と感じるかを考える視点が、本当に使われるサイトを作る鍵となります。 ③ ゴール :どうなったら「成功」と言えるのか? 最後に、ECサイトがどうなったら「成功」と判断するのか、具体的なゴールを設定します。 単に「売上〇〇円アップ」というゴールだけでは不十分です。 例えば、「電話やFAXによる受注業務の工数を月間で〇〇時間削減する」「特定の新商品に関する問い合わせ件数を〇〇件増やす」など、測定可能で具体的な指標(KPI)を設定することが大切です。 🚩ゴールが曖昧だと、サイト公開後に投資対効果を正しく判断できず、次の一手となる改善活動を続けることが困難になってしまいます。 「3つのこと」が決まった後の法人向けECサイト構築 全6ステップ 「目的・提供価値・ゴール」というビジネスの根幹が決まったら、いよいよ具体的な構築ステップに進みます。 ここでは、ECサイトを立ち上げるまでの流れを6つのステップでご紹介します。 Step1:要件定義 最初に決めた「目的」と「ゴール」を達成するために、ECサイトにどのような機能が必要かを具体的に洗い出していく作業です。 例)「既存顧客の業務効率化」が目的なら、「過去の注文履歴からの再発注機能」や「顧客ごとの掛け率設定機能」などが必要になる。 Step2:構築方法の選定 ECサイトの構築方法には、主にSaaS型、パッケージ型、フルスクラッチ開発といった選択肢があります。 それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の目的や予算、将来の拡張性などを踏まえて、最適な方法を中立的な視点で選ぶことが重要です。 Step3:パートナー(業者)選定 共にプロジェクトを進める制作会社や開発会社を選定します。技術力の高さはもちろんですが、「最初に決めるべき3つのこと」で定めたビジネスの目的を深く理解し、同じ方向を向いて走ってくれるパートナーかどうかを見極めることが成功の鍵を握ります。 Step4:設計・デザイン 要件定義に基づき、サイトの具体的な画面構成やシステムの動きを設計します。 ユーザーが直感的に操作できる、分かりやすく使いやすいデザインを目指します。 Step5:開発・テスト 設計書に沿って、エンジニアがプログラムを組み、ECサイトを実際に構築していきます。 法人向けということもあり、大量注文に対する値引きや見積もり機能など、様々な機能が組み込まれているケースがあります。 完成後は、様々な状況を想定してテストを行い、不具合がないかを入念にチェックします。 Step6:公開・運用開始 テストをクリアしたら、いよいよECサイトをインターネット上に公開します。 しかし、公開はゴールではなくスタートであり、設定した目標(GOAL)を達成するために、分析と改善を繰り返していく運用フェーズが始まります。 プロが答える!法人向けECサイト構築のよくある疑問(Q&A) ここでは、法人向けECサイトの構築を検討されている担当者様からよくいただく質問にお答えします。 Q1. 費用はどのくらいかかる? 構築方法や搭載する機能の複雑さによって大きく変動します。 大まかな目安として、SaaS型であれば数十万円から、パッケージ型であれば数百万円から、完全オリジナルのフルスクラッチ開発であれば数千万円以上になる場合もあります。 自社の目的達成に、どの程度の投資が妥当かを検討することが大切です。 Q2. 期間はどのくらいかかる? こちらも規模によりますが、計画段階から要件定義、開発、公開まで、一般的には半年から1年以上かかるプロジェクトになることが多いです。 ただし、SaaS型のサービスを利用するなど、要件が明確になっていれば3ヶ月程度で公開できるケースもあります。 いずれにせよ、社内での目的整理や要件定義をしっかりと行うことが、結果的にプロジェクト全体をスムーズに進めることに繋がります。 Q3. 社内にIT担当がいなくても大丈夫? はい、大丈夫です。 その場合、プロジェクトをリードしてくれる信頼できるパートナーとの連携がより一層重要になります。 専門的な知見を持つパートナーに相談しながら、二人三脚でプロジェクトを進めていくことで、社内にIT担当者がいなくても成功させることは十分に可能です。 まとめ:法人向けECサイトの成功は、ビジネスを深く理解することから始まる 本記事では、法人向けECサイトの構築を成功させるために、まず 「目的・提供価値・ゴール」 という3つのことを決める重要性と、その後の 具体的なステップ について解説しました。 技術やデザインの前に、自社のビジネスを深く理解し、ECサイトを「何のために、誰に、何を提供するのか」を明確にすることが、プロジェクトの成否を分ける最も重要なポイントです。 もし、この「最初に決めるべき3つのこと」を自社だけで整理するのが難しい、あるいは客観的な意見が欲しいと感じた際には、私たちのような専門家が壁打ち相手になることもできます。 特定のツール販売を目的としない中立的な立場から、貴社のビジネスに最適なご支援をいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。 お問い合わせ ECサイト制作・コンサルティングに関するお見積り、サービスに関するご相談など、お気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ